こだわり飼育で料理人も注目―熊野地鶏
三重県原産のシャモ「八木戸(やきど)」と県の銘柄種「伊勢赤どり」、「名古屋コーチン」を掛け合わせて三重県が開発した高級肉用鶏。平成11年から熊野市で生産が始まった。こだわりの飼育方法で育んだ肉質の良さは、県内外に広まりつつある。
熊野地鶏は、生産者でつくる熊野地鶏生産組合が年間1万3300羽を出荷。その中で最大規模の紀和町ふるさと公社(同市紀和町板屋)は、同町矢ノ川地区にある面積6500平方メートルの飼育場で、年間7000羽を生産している。
「1月15日に増設分の鶏舎が完成したばかり。6棟で3万羽が飼育できるようになりました」と案内してくれたのは、熊野市地域振興課の森岡雅貴さん(30)。
山あいの自然豊かな環境、鶏舎内の地面を自由に歩き回る平飼い、1坪当たり30羽以下―というのが特徴。鶏にかかるストレスを軽減し、健康的に育てるためで、壁を黒く塗り、止まり木を備え付け、仕切り板で雄と雌を分けているのもその1つ。
また抗生物質を使っていない飼料のほか、日本の棚田百選に選ばれた「丸山千枚田」=同町丸山地区=で作った飼料米、同市で生まれた果実「新姫」の搾りかすを与えている。
飼育を担当する山田倫央さん、前田武寛さんの2人は温度管理などに細心の注意を払うが、様子が気になって夜中に見回りに来ることも。鶏への愛情がうかがえる。
気になる味は、脂身にうまみがあり、加熱しても適度な歯応えがありジューシー。その味わいや肉質の良さは多くの料理人が注目し、首都圏の有名料理店からも注文が。鶏舎の視察に訪れる人もあり「あるテレビ番組で特選素材として紹介されたときは、すごい反響でした」と森岡さん。
「もも肉はもちろんだが、むね肉のおいしさに驚かれる。プロにお聞きすると、石焼きや塩釜など肉質の良さを堪能できるシンプルな料理が良いそうです」。
来年度は加工品の開発なども進める予定で、森岡さんは「いつか大都市で熊野地鶏のお店を出したい。出せるくらいブランド化しておいしさを広めていきたいですね」と話している。
問い合わせは同公社TEL0597(97)0640、http://www.kiwa-furusato.com/





















